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本イベントは、若者たちが中心となり、“平和の尊さを実感する場”を手作りで実現していく、
毎年一回開催のチャリティーイベントです。企画の背景となった出来事は2つあります。

一つは2007年4月、私の親友が徴兵に行ったことです。
彼は韓国人で、国籍こそ違いましたが、私にとって本当の兄弟のような存在でした。
それ故に、彼の徴兵は私に大きな衝撃を与えました。
同時に、“戦争”も“平和”も実感できない、所謂“一般的な日本人”である私にとって、
その衝撃は、感情の置場のない未体験の衝撃でした。そんな言い知れぬ衝撃に打ちひしがれている最中、
私の実家で一つの箱が発見され、私は実家に呼び戻さました。それが二つ目の出来事です。
実家に戻った私は、祖母に箱の中身を見せられました。
中には、年代物のお宝と、白黒の写真が3枚入っていました。
祖母は言いました。
「喜昭、この写真をよく見なさい。これは、あなたのお爺ちゃんが兵役に向かう前夜の写真よ。
あなたとちょうど同じ19歳」。
そして、こう付け加えました。
「今は戦争がないから実感が湧かないかもしれないけど、戦争は絶対に許してはならないことなの。
そして、平和は絶対に守らなくてはならないものなの。あなたの手で、しっかり守りなさい」。
くしくもその言葉は、徴兵に行く一週間目、電話で親友が言っていた言葉と酷似していたのです。
彼は涙ながらに言っていました。
「ヨシ、知ってるか?発表されていないだけで、今でも毎年、徴兵で死ぬ若者がいるんだ。
俺たちはまだ戦時下にあるから仕方がないのかもしれないけど、俺はまだ死にたくないし、同族を殺したくもない。
ヨシ、お前の国は平和だ。その平和を絶対に守ってくれ。お前なりの方法でしっかり守ってくれ」。

以上二つの出来事、言葉がリンクし、私は本イベント『a piece ofpeace』を立ち上げました。
平和に生きているはずの私たち。しかし、平和を実感する機会はまれです。
そして、実感できないものを大切にすることは容易ではありません。
もちろん一概には言えませんが、毎日ニュースを賑わしている殺人や自殺、
イジメのニュースを見ていると、その根底に、“平和に対する鈍感”があるように思えて仕方がありません。
私は一表現者として、表現には、人々の“平和に対する鈍感”を改善する可能性があると信じています。
私は、この思いに共感する仲間達と“手作りで”、“平和の尊さを実感出来る場”を表現し、実現し続けていこうと考えました。
そしてそれこそが、単なる一表現者であり、単なる一人の若者にすぎない私でも出来る、
しかし確かな“平和を守っていく”方法だと考えました。

平尾喜昭(ZIN-SIL)